2013年1月上旬時点でメモリーの価格は、DDR3-1600の4GBX2枚組のパッケージ品が4000円前後だ。1~2年前と比較すると、約半額にまで下がった。ここまで安くなれば、メモリーを増設したいと考える人は多いだろう。増設用メモリーを購入する場合は、まず、マザ一ボ一ドのマニュアルで規格を確認する。DDR2/DDR3といった規格が合っていなければ、スロッ卜に挿すことすらできない。さらに、ほとんどのPCパーツショップでは買い間違いでの返品は受け付けていないので、注意が必要だ。
買うべきメモリーの詳しい仕様を調べる際も、マザーボードのマニュアルを見るのが確実だ。対応メモリーの欄に、規格と設定可能な動作周波数が記載されている。マニュアルが手元に無い場合は、メーカーのWebサイトでも確認できる。トップページで型番を入力して検索し、製品紹介ページに移動、スペック表を表示しよう。メモリー(Memory)の欄に詳しい情報が載っている。
次にメモリーの動作周波数を確認する。最近のプラットフォームはメモリーコントローラーをCPUに内蔵しているので、CPUの対応も調べた方がよい。マザーボードとCPUで動作周波数の上限が異なる場合、基本的に低い方に合わせて動作するためだ。例えば、DDR3-1600まで対応するマザーボードでも、DDR3-1333までしか対応しないCeleronを搭載するとDDR3イ333での動作になる。
メモリーの動作周波数を上げられないマザーボードなら、本来の動作周波数では動作できない。動作周波数の異なるメモリーを混在させた場合も同様で、自動で低い方に設定される。手元のメモリーを生かすなら、増設するメモリーは既存のものより動作周波数が高いモデルを買う必要は無い。

複数枚パッケージが基本

メモリーの規格と速度を確認したら、いよいよ製品選びだ。安いメモリーといえば、数年前まで、バルク品が主役だったが、最近は格安パッケージ品との価格差はほとんど無い。1枚単位の購入となるバルク品と異なり、2枚や4枚セットのパッケージならデュアルチャンネルなどで動作確認済みをうたう製品もある。なお、DDR3-1333とDDR3-1600の価格差は小さい。

オーバークロックが一般的に

XMP (Extreme Memory Profile)対応の製品が増えているのも最近の傾向。これは通常の動作周波数や動作タイミングを記録した8PDの他に、オーバークロック用の高速な設定を記録してあるメモリーのことだ。マザーボードは初期設定では8PDの情報でメモリーを動作させる。XMPは似た仕組みで簡単にオーバークロックできるようにした。DDR3-1600対応のメモリーには2種類あるため、選ぶ際は注意が必要だ。一つは、「ネイティブ1600対応Jと呼ばれるJEDEC準拠のメモリー。もう一つは、XMP対応などのオーバークロックメモリーだ。これらは区別せずに販売されている場合がある。例えば、格安品ではパッケージにXMPと記載しておらず、型番でも判断できないものがある。JEDEC準拠のメモリーなら、CPUとマザーボードが対応していれば設定しなくともDDR3-1600で動作する。
しかしXMP対応のDDR3-1600メモリーは、8108でXMPを有効にしないとその速度では動作しないので、これに気づかずにDDR3-1333で使っているケースがあるかもしれない。DDR3の動作電圧は通常1.5Vだが、XMPでは1.65Vになっている場合が多いため、判断材料のーつとなる。格安品でもヒートシンクを装着したメモリーがある。ただし、これらのヒートシンクは見た目を良くするものと考えてよい。

ヒートシンクの必要性

メモリーはもともと発熱が小さいパーツで、通常の動作でヒートシンクは必要ないためだ。ヒートシンクが無いDDR3・1333メモリーを使い、動作中のチップ表面の温度を測ってみたところ、室温220Cの部屋で320C程度だった。これならヒートシンクが無くても動作上の問題は無い。オーバークロック時は発熱量が増えるため、あった方がよい場合もある。
ヒートシンクで注意が必要なのは、大型のCPUクーラーと組み合わせる場合だ。「忍者参リビジョンB(サイズ)のようにメモリースロットまでフィンが届くCPUクーラーもある。干渉を避けるには、ヒートシンクの無いメモリーか、あっても基板と同じくらいの高さのメモリーにし
ておく方がよい。

メモリを取り付ける

メモリーの取り付けは簡単で、固定用のラッチを聞き、切り欠きの位置を合わせて押し込むだけだ。ただし、これは最初から組み立てる場合の話。メモリーの増設ではもう少し注意が必要だ。メモリーの増設で、マザーボードをPCケースから外す人はいないだろう。

よく確認しながら作業する

PCケース内は暗く、ケーブルやCPUクーラーなどで視界も悪いので、メモリースロット付近が見えにくい。そのため逆挿しや斜め挿しに気付かない恐れがある。懐中電灯で照らすなどして、しっかり確認しながら作業しよう。LGA2011プラットフォームでは注意点が増えた。メモリースロットがCPUソケットを挟んで2力所に分かれており、それぞれ反対向きにメモリーを取り付けるのが一般的だ。そのため、従来と同じ感覚で作業すると逆に挿してしまいがちだ。
挿すメモリーの枚数によって、取り付ける位置が細かく決まっている。メモリースロットが8本あるマザーボードではかなり複雑だ。場所を間違えると4チャンネルで動作しない恐れがある。マザーボードによって配置は異なるため、必ず増設前に確認しよう。

動作確認をする

取り付けが完了したら動作確認だ。BIOS設定画面でも確認できるが、メーカーやモデルよって表示する場所が異なる上、メモリーの情報を表示する画面が無い場合もある。Windows上で確認した方が確実だ。Windows上では、システムのプロパティ画面が分かりゃすい。容量を正しく認識していない場合は、取り付けミスを疑う。一度抜いて挿し直してみよう。情報表示ソフトの「CPU-Z」を使えば、より詳しく確認できる。
「Memory」タブでは総容量、デュアルチャンネルなと、の動作モード、,動作周波数、動作タイミングを表示する。この数値は個々のメモリ一本来の値ではなく、現在動作している速度だ。「SPD」タブではそれぞれの「SPD」の内容を確認できる。XMPに対応しているメモリーなら、その内容も表示可能だ。もし本来の動作周波数で動作していないなら、BIOS設定をチェックしよう。自動設定で本来の速度にならない場合は変更する必要がある。XMPに対応していれば、BIOS画面でXMPを有効にしてプロファイルを選ぶだけで済むが、手
動で設定する場合は少し面倒だ。メモリーメーカーのWebサイトで動作周波数、動作タイミング、動作電圧を確認し、その通りに設定する。
高い動作周波数ではタイミングを遅くしている場合があり、単に動作周波数だけを上げるとXMPよりオーバークロックした状態になってしまうためだ。動作モードがシングルチャンネルになっているなど、正しく動作していない場合は取り付けるスロッ卜の位置を確認する。正しい位置はマザーボードによって異なるので、マニュアルで確認しよう。マニュアルが手元に無い場合は、メー力一のWebサイトで型番を検索すると、大抵はPDF版をダウンロードできる。

動作が不安定ならチェックソフトを試す

メモリーの容量が正常に認識されている場合でも、Windowsのインストールに失敗したり、突然再起動したりする場合は、無料のメモリーの診断ツール「Memtest86」で調べるとよい。このツールはCD-RやUSBメモリーから起動可能で、メモリーへのデータ書き込み、読み出しを繰り返して、エラーが発生しないかを調べられる。エラーは画面下に赤い帯で表示される。エラーが出るなら初期不良の恐れがある。取り付けるスロッ卜を替えたり、既存のメモリーを外したりといったことでエラーが出なくなる場合もあるので、いくつかのパターンを試してみるとよい。